映画リスト

【専門演習・前期】
「おじいちゃんの里帰り」
:ドイツに移民したトルコ人一家三世代が、トルコに里帰りするロードムービーです。王道を行っているというか、ありがちなテーマが出そろっている作品です。

【専門演習・後期】
「自由と壁とヒップホップ」:原題Slingshot Hiphop。パレスチナのラッパーたちの活動と友情を描く、感動のドキュメンタリーです。私のゼミを取る人にはこの作品は絶対に観て欲しいです。

「Amreeka」:アメリカに移住したパレスチナ人女性とその息子を描いた作品です。小粒な作品ながら登場するパレスチナ人や家族のあり方などがリアルで、いろいろ参考になります。監督自身の実体験を描いた作品とのことです。残念ながら日本語字幕はなく、セリフはアラビア語と英語です(英語字幕付き)。

【エスニシティ論】※2018年度より「エスニシティと宗教」
「Go」:日本における、在日朝鮮人社会や朝鮮学校の描かれ方について考えるための素材として観ました。朝鮮学校の教室が、強権的な教員に支配される暗くて怖い場所として描かれているのはかなり不自然な印象を受けますが、日本の学校の描き方にしてもステロタイプなものはたくさんあるし、ある種の現実を切り取っていると言えなくもありません。問題は在日朝鮮人社会や朝鮮学校の表象そのものがとても少ないため、数少ないものの一つであるこの作品だけでイメージが形成されてしまうことかもしれません。2001年に本作が公開された頃、当時よく使っていた秋葉原駅構内だったと思いますが、大きくポスター掲示がされていたのを思い出します。学生の反応を見ると、日本社会が当時よりもずっと在日朝鮮社会を遠ざけてしまっていることを実感させられました。

「MalcolmX」:長いので一部だけ。DVDも安く手に入るので、ぜひ卒業までに全体を見る機会を持って欲しいと思います。イスラームだけでなく、宗教の受け入れられ方がその社会のあり方と密接に関わっていることがよく分かります。

【中東アラブ研究】
「歌声にのった少年」
:映画を通してパレスチナ、とくにガザの状況を知るのにとても良い素材だと思います。いまひとつ関心の薄い学生でも、登場人物の魅力に引き込まれながら、彼らの置かれた状況を共有していくことになります。実話に基づいた話というのがすごいですね。長さも98分ですので、10分程度超過するだけですので1コマの授業でもギリギリ許容範囲です。これはぜひ全体を通して観て欲しいので、絶対に面白いから少し超過するけど許してね、と断って上映しました。

「沈黙を破る」:長いので授業で観たのはほんの一部、元兵士の証言と、虐殺が起きた直後のジェニーン難民キャンプに入り、遺体の掘り起こし作業がされているなか、アメリカ人のボランティア女性が嗚咽するシーン辺りまででした。兵役のなかでイスラエルの兵士が「考えること」を止めることを強いられ、人間性を傷つけられているという視点は、学生の関心を引くようです。 inserted by FC2 system



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